むしゃなび特集/2006年6号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

むしゃなび

■ むしゃなび特集 2006年6号 ■
噴火湾で海釣り! [2/3]
[5038]



 伊達市大町の釣具店「フィッシングサロン オアシス」は、地元の海釣り好きが集う店。
 フィッシングサロンの名の通り、ホットな釣り情報を求めて釣り人が集まってきています。
 釣り具、釣り餌の販売のほか、海釣りをメインに、車にて送迎付きに釣りガイドを新たに始めたところです。4月は日本海のソイ船釣り、青森沖でのメヌケ・大型ソイ船釣り、恵山沖の根ホッケ・大型ソウハチ、長万部のマガレイ船釣り、砂原沖のアカガレイ船釣りなどを予定されているそうです。
 店主の田口豊和さんは、釣り具店を始めて6年目。道内各地を釣り歩き、釣った魚を食べ歩いてみて噴火湾の魚のおいしさに開眼されたそう。そんな田口さんに、噴火湾が良い漁場であるわけと、噴火湾での釣りの魅力についてお聞きしました。

フィッシングサロンオアシス店主の田口豊和さん


噴火湾の魅力

伊達近郊噴火湾について

 噴火湾沿岸の市町村は、津軽暖流(対馬海流の支流)の影響を強く受けるため、夏は涼しく冬は温暖で快適な気象条件に恵まれる地域です。
  噴火湾の入り口あたりは、暖流と親潮がぶつかる良い漁場となっています。噴火湾内へは、春から夏にかけては時計回りに、秋から冬にかけて逆回りにと季節変動のある海流にのって、魚が移動してきます。
 噴火湾には、天然の良港が多く、ヒラメ、毛がに、ホタテの道内有数の産地です。また、春から秋にかけて、多くのイルカが回遊します。さらに、ミンククジラ、シャチ、オットセイといった海洋ほ乳動物との出会いの確率が高い海域で、クジラ、イルカなどのホエールウオッチングが身近にできる、世界でも有数の地域です。
噴火湾の中の海流は季節によって1、2のように変動します。
つまり、春のカレイは国縫、長万部でつれたという情報が入るとその後、伊達近辺でも釣れ出し、室蘭での定置網にサケが入ると、その後伊達でもあがるようになる、という目安になるわけです。

魚種が豊富な海域


 噴火湾へは、長流川、貫気別川、長万部川などの数多くの大小河川が湾に注いでおり、海水の栄養も豊富で、海の生物には大変過ごしやすい、静穏海域を形成しています。
 砂浜の海岸が続く噴火湾において、伊達市近郊は唯一複雑な海岸線を有しています。礼文から静狩にかけては火成岩の海食崖があり、有珠湾沖は度重なる有珠山噴火での岩なだれにより複雑な海岸線を形成しており、海藻や魚が住みやすく、エサが豊富で、産卵のしやすい地域となり、魚種の豊富な海域です。
 冬が温暖でエサが豊富なため、渡り鳥の越冬地域でもあり、特に国の天然記念物であり日本でわずか1500羽しか確認されていない、コクガンの越冬地域でもあります。
 室蘭から出港しているイルカ、クジラウォチングは、実際は噴火湾にて行っています。大きなイルカなどが回遊する理由は、エサとなる、小魚が豊富にいるためです。

ホタテの桁がパヤオに


 パヤオとは、フィリピンのタガログ語でイカダの意味。沖縄、八丈島などでマグロなどを取るための人工浮き漁礁のことを指します。噴火湾では、養殖のホタテの桁に海藻が付着し、小魚が集まり、それを狙って大型の魚が集まるという構造ができています。噴火湾一帯のホタテの桁は、魚を集める人工漁礁になっているのです。
 しかし、ロープに針が掛かり、知らずにほたての作業をして思わず針が刺さり怪我をすることがあり、地域によっては、ほたての桁の傍での釣りを禁止しているところもあるのでご注意を。

ロクマルを釣り上げる!が目標


 室蘭港(噴火湾地域です。)は立ち入り禁止が多くあり、港の魚にとっては最高の居住地域です。そのために根魚(ソイ、アブラコ等)の大型が多く生存しています。
 ロクマルとは全長60cmオーバーの魚を釣り上げることです。
 JGFA(ジャパンゲームフィシングアソソェーション)は、釣り人が、なるべく細い糸で、大物を釣り上げることを競いあう団体で、この日本記録を競いあっているのは、室蘭港で釣れた魚が多いのです。つまり日本でも大型アブラコが釣れる地域として有名な所で、ロクマルを狙って多くの釣り人が訪れる場所となっています。
 JGFAは魚との共存共栄をめざし、いつでも魚釣りを楽しむため、キャッチアンドリリースが基本で、必要以上の魚を確保しないを基本としている団体で、IGFAの日本においての窓口です。

噴火湾の魚は


 噴火湾の産地の魚は、市場でも高く取引されていると聞きますし、市場に出る前に、港で直接取引され市場に出づらい魚もあり、割烹料理店に直に入る魚が多いと聞きます。
 寿司屋のご主人に聞いても、噴火湾の魚が一番美味いといいます。 
 ソウハチカレイは全国でも、北海道でしか取れない魚で、一部東北でも取れます。
その中において、噴火湾のソウハチは、季節を問わず、他の地域にくらべ、脂の乗りが良く美味いと評判です。特に釣りものソウハチは絶品です。
 網に入った魚は、網から外す時に無理やり外すため、身が崩れてやわらかく、また、網を海から上げるのに数日かかり、市場に卸され小売の店先に並んだ時には、数日もたっている状態です。これと釣りたての身が引き締まった魚とは、比べることもできないです。

船の数は、日本一?


 日本中探しても、浅場の海でカレイ類が大量に釣れる所は噴火湾だけです。このカレイを目指してたくさんの釣り人がここ伊達を訪れます。
 噴火湾、特に伊達〜虻田の沿岸沿いは、手漕ぎボートの設置が非常にたくさんあります。
手漕ぎボートで海に漕ぎ出せるところは全国的にもめずらしく、5月〜9月の週末の噴火湾は、ボートだらけの状態が続き、その姿は壮観です。とくにゴールデンウィークや夏休みは多くの人でにぎわいます。

浅場の魚の美味さの違いは?
釣って食べて歩いた私的意見として


 北海道全体での魚の美味さ比較として、沖合い(深場)の魚を除いた、岸よりの比較的浅瀬の魚(カレイ類、ホッケ、ソイ、アブラコ、カジカ、ヒラメ 等について)の味の違いについて。
 私は学者ではないので、経験からの話になりますが、岸からいきなり深くなり、底が岩礁帯の日本海側は魚も大きく、数も多く釣れて、魚釣りにとっては、うれしい地域です。しかし魚の味となると身の薄いカレイが比較的わかるのですが、甘みが少なく、身が薄く、水ぽい感じです。
  噴火湾、太平洋岸(登別〜釧路)は比較的遠浅で 砂地が多い地域では、一番は噴火湾、次に太平洋の順に魚が美味いと感じます。
 オホーツク海は、親潮と呼ばれるプランクトンが豊富な海流のおかげで、サンマ、ホッケ、スケソウタラなど沖合い深い所で大量に上がる魚は豊富で美味しいです。しかし浅場のカレイは、イマイチです。
 私的意見としてですが、海藻特に、こんぶの取れるそして、ブランド昆布の産地は魚が美味しいが結論です。日本海は数年来の磯やけにて、昆布、わかめがほとんど取れません。噴火湾沿岸、太平洋沿岸は、昆布の産地で有名な所が多くあり、高額な市場価値があります。つまり旨み成分が多いと考えますと、そこにいる魚も当然旨みがある魚であると思うのです。

SHOP DATA
フィッシングサロン オアシス
〒052-0027
北海道 伊達市 大町19-1
電話 : 0142-21-3033
FAX : 0142-21-3043
eメール : oasis303@io.ocn.ne.jp
むしゃなび内オアシスのページ


《過去の特集を読む》