むしゃなび特集/2009年7月15日号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

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■ むしゃなび特集 2009年7月15日号 ■
ノスタルジー探険・人情商店ここにあり「道前製靴店」 [3/3]
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 <靴職人に寄り添う、うつくしい道具たち>

 道前さんの使い古された木の作業机。
 その周りや下に、靴を直すための見たこともない道具が収納されている。

 おかしな形のペンチがあった。

 これはワニの口に似ているため「わに口」と呼ばれるペンチで、テコの力を使って皮を引っ張り、靴底などに引き寄せたり調整したりするために使われる。
 靴の種類が様々なので、小さいものからゴツイものまでいろいろあるが、どれも年期が入っていて、重みを感じる「わに口」だ。

 ほかにもいろいろな、独特な道具がある。
 これらは道前さんが靴職人として修行をはじめたころからの道具たち。

 道具は職人の命と言われることもあるが、この道具たちはどれも錆びてはいない。
 手入れされ、そして年代物で、大切にされて何十年も使い続けられてきたものだということが、一見してわかった。道具たちが生き生きとした空気を放っているように見えたからだ。



道前職人は、北海道にはもう他にいないと言われているただひとりの靴職人。
靴の問屋がそう言って電話をかけてくるという。

「北海道で修行した中で一番若手の職人なんだよ」と笑う。


道前さんに、靴を見せに足を運んでほしい。

職人は、その靴を見るやいなや、
まるで自分の大切なものを抱っこするようにして、 「ああ、これは」と言いながら、すぐに直す方法を考えはじめるだろう。

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靴底の部分修理:250円から
靴底、かかと取り替え:1000円から
サイズ調整:700円から
その他、ご相談ください。革製品の修理なども。
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<動画>
道前さんの仕事ぶり
夫婦で越えてきた苦労とよろこび
<余談>
カラスとスズメと道前さんと






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