むしゃなび特集/2005年2月号/伊達市室蘭市を含む西胆振のポータルサイトむしゃなび

むしゃなび

■ むしゃなび特集 2005年2月号 ■
うつわやさんで見つけた「あったかくなるもの」 [2/6]
[3064]

使っていて元気になる器つくっています
やきものの店 土器土器





今年は明るくなる
うつわつくります!


伊達市中心部から国道37号線を虻田方面へ車で向かい、うなぎやさんのある長和の信号を右折し、高速道路の高架下をくぐり直進すること数分。左手に「陶器 やきもの」の大書きされた看板がでているお店に到着。手前の小さな鳥居と上長和のバス亭が目印。道路に面して「やきものの店 土器土器」はカーテンが閉まり、開いていないのかな?と思って裏手に回ると新山窯の工房の入り口があった。

「ブラックシリカ商品」

「いらっしゃい」と、元気良く出迎えてくださったのは、柿崎楽有さん。焼き物教室や体験学習の会場にもなるという広い工房には作業台がずらりと並ぶ。その中の一つの上にごろごろと黒い粘土の球が乗っている。見たこともない、炭の色のような粘土の色。「去年はこればっかり作ってんだよ」、といきなり見せてくれたのがブラックシリカ商品の数々。どうやらこの黒い粘土がこれら商品になるようだ。

 ブラックシリカは常温で遠赤外線を放出し続ける性質をもち、昔からアイヌの人々の間で「痛み取り石」として重用されてきたそう。陶器もなかなか売れなくなってきて、どうにか陶器に付加価値をつけたいと思っていた数年前、この鉱石に出会い陶芸仲間数人と組んで試作品づくりを始めたそう。この鉱石の粉を陶土と混ぜ合わせ、高温で焼いたブラックシリカセラミックの商品が、昨年あたりから爆発的な人気をよんでいる。


「若い人はこういうことに反応がいいよね。目には見えない波動なんてものにちゃんと反応できる。ずいぶんいろんなこと教わっていますよ。このままじゃ、地球の将来危ないよねってだれもが思っている。どこかで軌道修正しなきゃってことだと思いますよ」と柿崎さん。陶芸の話を伺いにきて、地球の将来にまで話が及ぶとは。それにしても柿崎さんは、作り手でもあって、商品開発部長でもあるんだなあ、といささか驚いた。


「地元のものにこだわって」

 柿崎楽有さんは、父親の柿崎楽昌氏(洞爺窯)に師事。東京での飲食業から転職し、33歳で焼き物の道に。楽昌氏とともに、火山灰を用いた釉薬をつかった「洞爺ブルー」と呼ばれる独特の青紫色のうつわを焼いてきた。独立し、新山窯を開いてからも、火山灰やりんごの枝の灰など地元のものにこだわった作陶活動を続けている。


「うつわの店 土器土器」では、広いお店の中に柿崎さんとその他数人の陶芸家の作品が展示販売されている。大きな花器からオブジェ風の花器、大皿や小皿、茶わんなどの焼き物が並べられ、様々な作風の品々をゆったりと品定めをすることができる。もちろんブラックシリカグッズも取り扱っている。

「使っていて元気になる器をつくります」

「今年は陶器をつくります」ときっぱり一言。

 もちろん陶芸家なので陶器をつくってはいると思うが、店のカーテンを閉めたままの日もあり、「止めちゃったのかと思ったよ」と言われたことも。それほど昨年はブラックシリカの商品開発に明け暮れていたようだ。

「明るい世の中にするために、明るい器をつくります。試作品があるけど見てみる?」といって見せてくれたのが写真の御飯茶わん。白い化粧泥のぽってりとした地にかわいいピンクの花模様。肉厚で安定感があり、いかにも使いやすそう。益子で伝統工芸士の福田実さんに師事されたこともあるとかで、益子の器を彷佛とさせるもの。「もう少し色を多くしようと思っているんだ。とにかく食卓を元気に、食欲の出る明るい器をつくりますよ」

 隣接するショップで、これまでの柿崎さんの作品を見ていると、黒地や青色、茶系など渋めの器が多く、その中でこの「明るい器」は新しい出発なのかもしれない、と感じていると、続けて「昨年秋からお茶を習いはじめて、日本人の心の神髄にふれた気がしたんだ」と目をきらきらさせながら語ってくれる。今までたくさんの茶碗をつくってきたけれど「お茶のことが何も分かっちゃいなかった」ことに気付いたそうで、抹茶茶わんをつくりたいという気持ちがこっちにまで溢れ伝わってくる。きっと、新たな気持ちでろくろの前に座られるのだろう。今後の作品に注目したい。

 とにかく前向きな柿崎さん。ものを作る人というのはこういうものかと思うほどエネルギーにあふれ、好奇心旺盛。これからも新しいことに挑戦し、どんどん変化していかれるんだろうなあと思う。作陶20年目を迎え、「記念の年ですね」というと、「そう?」と軽く受け流す。どこまでも気負わず構えず、という力の抜けた姿勢が心地よかった。

 笑いが絶えず、話題も豊富。マジシャンか、コメディアンかっていうほど豊かな表情で(谷村真司に似てますよね)、号の「楽有」はほんとにぴったり。これはさぞかし楽しい教室だろうな、と思ったが、こういう人ほど、実はつくる場面では、きりりと厳しい表情を覗かせるのかも。今度はつくっているところを拝見しに伺いたい。

 新山窯の作品やブラックシリカグッズは、伊達近郊の道の駅(黎明館・フォレスト)やサイロ展望台、洞爺湖の越後屋さんでも求めることができます。


ブラックシリカ商品の数々。波動球、スティック、植木鉢の植物が元気になるいきいき若葉棒、携帯ストラップ(1600円)、ブレスレット(2000円〜)、ネックレス(3200円)など。

ブラックシリカの健康グッズ

 昔からアイヌの人々の間で「痛み取り石」として重用されてきたというブラックシリカは、常温で遠赤外線を放出し続ける性質をもつ天然の石。北海道上ノ国町で唯一産出されるというこの鉱石を粉砕し、陶土と混ぜ合わせ、高温で焼いたブラックシリカセラミックの商品が、ひそかに人気をよんでいるそうです。水道水がおいしくなる、御飯がおいしくたけるといったグッズや、冷えや肩こりに効くという健康グッズに商品化されています。

 観光客が買っていき、その効果に驚いて取り寄せるといったリピーターが続出し、昨年、あるみやげもの店ではブレスレットやネックレスが約半年で3000本も売れたとか。柿崎さんによると、ネックレスとブレスレットの併用がお勧め。ブラックシリカグッズで体の中からあったまってね。

詳しくは http://ashir.net/plaza/shop/shinzangama/

(特集の最後に、ブラックシリカブレスレットのプレゼントがあります!)


SHOP DATA

新山窯/やきものの店
 土器土器
伊達市上長和町255
0142-25-6196
10:00〜16:00
日曜休み

「武者なび」内 新山窯





<陶芸教室 しぶ柿の会>
入会費 3,000円
月謝 5,000円
粘土代(焼き代ほか含む)
2キロ2,000円、4キロ3,600円、6キロ4,800円、8キロ5,600円。
毎週月、金曜日午後1時から4時半、午後5時半〜9時まで工房開放。


<製作体験>
粘土成形(要予約)
湯呑、カップ、花瓶、灰皿など、手びねりで自由につくります。約1か月後に焼き上がります。
料金 1人2,000円
会場 新山窯 (2人以上40人まで)
所要時間 60〜90分
このほか団体の絵付け体験も可能です。




《過去の特集を読む》